昨年の4月から一般家庭においても自由に電力会社を選べるようになっています。
ウチも漠然と会社を乗り換えてみようかなぁと考えていたところ、
歩くほど電気料金が安くなるという『あるく・おトク・でんき』プランが面白そうだったので検討してみました。
電力自由化とは?
それまでは関東エリアは東京電力、関西エリアでは関西電力というように、当たり前ですが地域ごとに電力会社が決められていました。
もともと高圧の電力など企業向けはすでに自由化されてましたが、2016年4月からは一般家庭においてもそれが可能になっています。
電気でさえ、自由に会社やプランを選択できるようになったわけです。
乗換自体も既存の電力会社への解約手続きや、新たな設備の設置も不要なのでお手軽です。
新電力会社の乱立
自由化にともなって、PPSと呼ばれるそういった電力会社は現在300社以上あるみたいですね。
ケーブルテレビや携帯電話の会社、街で見かけるガソリンスタンドの名前の会社も名を連ねていて、それらのサービスと電気をセット契約することで割引できるところもありますが、基本似たり寄ったりですね。
安くても聞いたことのない会社も多々あり、仮に倒産や撤退になっても停電することはないようですが、手続きなどが面倒になりそうなのでそのあたりは選択が難しいところです。
あるく・おトク・でんきとは
『イーレックス』という会社が『タニタ』とコラボして、昨年10月から開始されたプランです。
歩けば歩くほどポイントが貯まって、そのポイントで電気料金を割り引いてくれるというサービスです。
日常的に歩く人やウォーキングが好きな人にいいですね。
使用している携帯会社や、いつも利用しているサービスとセットにできる電力会社でもいいのですが、歩き続けるモチベーションアップにもなるのでいいかと。
指定されたタニタの活動量計(万歩計)で計測し、サイトにアップロードすることによって歩数に応じてポイントが貯まるようになっています。
指定された機種の活動量計からスマホを経由してアップロードするのでスマホが必要ですね。
当然のように『Windows Mobile』では使えないです。。
このプランはおトクなのか検証していきましょう。
歩くポイント計算
ポイントは月ごとに計算され、以下のような4つの項目の合計がポイントになります。
- 歩数ポイント(1,000歩ごとに10ポイント、3,000と5,000と8,000歩クリアでそれぞれ10ポイント加算)
- 継続ポイント(連続で歩くことにより1日あたり5ポイント加算)
- データ送信ポイント(データを送信するごとに10ポイント加算)
- 前月差ポイント(前月と今月の平均歩数で1,000歩以上増加していると500ポイント加算)
歩数ポイントは最大10,000歩まではいいとして、データ送信ポイントは25回までとか、前月差ポイントは20日以上歩くなど、いろいろ条件があるみたいです。
『あるく・おトク・でんき』ページに計算例が載っています。
割引のようす
割引のモデルケースもサイトにあります。
このプランに限らないですが、当然使用電力量が多いほど割引率も上がります。
ウチの近畿エリアで例を見てみると。。
ポイントは最大ポイントで算出されているようなので、仮に8,000歩を毎日連続して歩いた場合は4,315ポイントになるようです。
その場合、月間使用量が450kWhの家庭においては新電力への乗換自体で毎月910円節約、歩数ポイントでさらに1,000円割り引かれるとあります。
月間使用量が550kWhのケースで10,000歩を連続で歩き切った場合は5,000円も割り引かれるとなっていますね。
使用電力量に応じて必要ポイント数と割引率が異なっているのですが、先ほどの550kWhの場合、4,570ポイントあれば5,000円割引が適用される。。となっています。
最強のプラン?
使用量が500kWh以上で、毎日1万歩 歩いた場合はさらに5,000円割引される。。
すごいプランです。
でも実は、
仮に次の月も500kWh以上電力を使用してMAXポイントを貯めても、次の月は5,000円割り引かれないんですよね。。
それは歩数ポイント計算の4つめ、前月差ポイントのためです。
前月差ポイントは前月の平均より1,000歩以上増えて500ポイント加算されるモノですが、前月の平均歩数が10,000歩以上の場合は対象外とあります。
そもそもこのプランはMAXが10,000歩ですからね。
前述の例でいくと、5,000円割引には4,570ポイント必要とあります。
前月差ポイントを除いた場合のMAXポイントは、
仮に12/1から12/31までを歩くとした場合、
- 歩数ポイント(130ポイント×31日=4030ポイント)
- 継続ポイント(5×30日=150ポイント)
- データ送信ポイント(10×25日=250ポイント)
かといって、前月差ポイントは平均10,000歩をコンスタントに出している場合は適用されないので、毎月コンスタントに4,570以上貯めることができなくなってしまいます。
600kWh以上使用する場合は4,430ポイントでちょうど5,000円割引になっています。
ですがギリギリなので何かしらポイントを落とした場合は1,000円割引にダウンしてしまいます。
そもそも30日しかないような小の月は最大でも4,295ポイントなので前月差ポイントがないと到達しないですね。
あと、初期手数料1,080円(税込)、利用料月額162円(税込)、解約金3,000円(2年縛り)があるので注意してください。
計算をシンプルに
別に詐欺でもなんでもないですが、サイトの料金イメージだけ見ていると、あたかもコンスタントに何歩 歩いたらそれに対応した割引額が適用される。。と受けてしまうので誤解しそうですね。
ま、前月差ポイントで割引リミッターを利かせたいんだろうけども、そもそもポイント計算が複雑すぎます。。
割引率自体をもっと下げて、前月差ポイントとか廃止したらいいのに。。
データ送信ポイントの25回までとかも中途半端な感じ。。
あるく・けんこう・でんき
割引率自体で見ればもっとおトクな会社はいっぱいあります。
この『あるく・おトク・でんき』ではそれらの割引率に持っていくのは難しいかもしれません。
ですが歩いて割引する・・というコンセプトは素晴らしいし、『イーレックス』自体は老舗なので、歩くモチベーションを保つ健康的な観点から選択するのであればアリですね。
万歩計は指定の機種が必要ですが、1/31までに申し込んだ場合はキャンペーンでプレゼントされるみたいなので検討中の方はどうぞ。