日産のノートに、『e-power』と呼ばれるグレードが今月追加されて発売されています。
『e-power』はエコカーとしてはどんなものなんでしょう。
e-powerとは
e-POWERは、エンジンを発電専用にしています。燃費に悪影響を与える作動領域を使用しない分、エンジンの作動時間を短縮。さらに、ごくわずかな減速でも回生エネルギーがとれるよう設定。市街地から高速道路まで、あらゆる走りのシーンで優れた燃費性能を発揮します。
EV(電気自動車)のメカニズムに発電専用のエンジンを搭載し、バッテリーへの充電、モーターへの電力供給を発電用エンジンから賄うものです。
発電用エンジンからの電力供給なので、従来のEVのようにプラグインで充電することはできません。
EVに発電用エンジンを搭載したクルマは『レンジ・エクステンダー』と呼ばれますが、これは搭載バッテリー容量が少ないので『シリーズ・ハイブリッド』と呼ぶみたいですね。
ノート『e-power』には、従来のHR12DEエンジンを発電用に改良して搭載しています。
モーターのみで駆動するのでEVのようなフィーリングですかね。
モーターもリーフと同じモノが採用されているようです。
ニッサンのエコ・カー戦略
国内のエコ・カーはHV(ハイブリッド)全盛で、ニッサンはHVではなくEVのリーフを発売していました。
排ガスを一切出さないクルマ、いわゆる『ゼロ・エミッション・ビークル(ZEV)』として全面に宣伝してたものですが、この『e-power』はエンジンがあるのでZEVとはならないですね。
腐るほど走っているプリウスやアクアに比べて、リーフの販売が芳しくなかったので方向転換したのでしょう。
まぁ、クルマのデザインの好みは主観的であるとはいえ、あのズングリしたデザインはお世辞にも洗練されてるとは言い難かったですね。
リーフのカタログ値では航続距離が228km(280kmのグレードも後に追加)で、実走行距離との乖離が大きいようなので心許ないですね。。
航続距離が少ないのも相まって想定通りには売れなかったのでした。
バッテリーが画期的に技術向上でもしない限り、EVの実用性はまだ発展途上な感じですね。
ノートのe-power
そこでe-powerとして、エンジンで発電しながら走ることによりロングランを実現しています。
ただ、搭載バッテリー容量がHVと同程度しかないため、ひっきりなしにエンジンが始動するみたいですね。
アクアのクラストップであった37.0km/Lを上回る、37.2km/Lの低燃費を達成しています。
アクアの低燃費を上回ると言うことがマーケティング上重要なのでしょう。
ですが、カタログ燃費において測定誤差みたいな0.2km/L優れているとか、正直どうでもいいですね。
最初にこのメカニズムを聞いた時は、もっと圧倒的に低燃費なのかと思ってましたが、そうでもないみたい。
価格は一番安いグレードで177万と、アクアをターゲットにしている感じです。
ですがこの一番安いグレード、エアコンが標準装備でないみたいですよ。。
モータースポーツのベース車じゃあるまいし、こういうのはやめてほしいですね。
結局ライバルより高く、燃費も似たりよったりですが、強力なモーターならではの加速と、アクセルオフの減速がよく効いて車間距離の調整もラクチンとのことですね。
HV勢にどこまで食い込めるか
プリウスとアクアは見ない日はないくらい走ってますね。
まぁ、ドライバビリティの良さだけでは食い込めないでしょう。
圧倒的な台数もさることながら、プリウスもアクアもハイブリッド専用の車種なので存在感があるんですよね。
フィットのハイブリッドにも同じことが言えますが、ノートの『e-power』はあくまで1グレードのひとつなのでインパクトに欠けるんですよね。。
まぁインサイトをもってしてもダメでしたけど。。
同じようなHVばかりなので、モーター駆動のちょっと違うタイプのクルマが発売されたことはいいですね。